晴れた日の出来事
車好きにとって「S2000をどう思いますか?」との問いは賛否両論、語るものを熱くさせる話題であると思う。
そのくらいHONDAの作ったこの車は特別な存在なのだ。
現在私は運良くその車を所有している。そのため、その車の持つ良い面も悪い面も、ある程度理解しているつもりだ。
そんなS2000に乗った感想は、「あー、これはスポーツカーなんだな。」というものだった。
「なんだそれは、当たり前じゃないか。」との声が聞こえてきそうだが、「スポーツカーに乗る」ということを端的に感じさせてくれる車だと私は思う。
S2000は、スポーツカーに乗るというのは特別なことなんだと気づかせてくれる。
発進はピーキーだし、踏めば獰猛に加速する。ケツは滑るし、室内空間はお世辞にも広いと言えない。
そんな欠点だらけに思える車だが、乗ればその楽しさに魅了されてしまう。
踏めばどこまでも加速していき、良く曲がり良く止まる。
それになんと言ってもオープンカーなのだ。
ある晴れた休日に、屋根を明け開いて流していたことがある。
トンネルに入ると前からやけに甲高いエンジン音が聞こえてきた。
フェラーリだった。
お世辞にも状態が良いとは言えない、年代物だった。
しばらく着いていこうと思った。フェラーリなど滅多にお目にかかれない。
信号が青にかわって発進。向こうもこちらを意識しているのか。そういうことなら話が早い。
交差点を左に曲がって。へえ、こんな感じに曲がるのか。立ち上がりの加速。
真っ直ぐ行くのか。じゃあおれはこの辺で。バイバイ。
フェラーリとのランデヴーを経て、S2000の走りは全く遜色ないという感想だった。
私はますますこの車が好きになった。
おつかれさん。
おしまい