本を読む#1 蜜蜂と遠雷

もともと本を読むのは嫌いではないので、時間つぶしに本を読むというのはなかなかいいものだというお話です。

今回は恩田陸著、「蜜蜂と遠雷」がとても気に入ったので紹介したいと思います。

舞台は日本の国際ピアノコンクールです。音楽を愛する登場人物が色彩豊かに描かれています。

このコンクールを通して、出場するピアニストはもちろん、審査員までもが魅力的に変化を遂げていくのがたまらなく美しいです。

なかでもかつて天才と言われ、将来を期待されていた女性ピアニストの演奏と変化がとても美しく、惚れてしまいました。

ここで演奏とありますが、読んでいるうちに感極まってしまうほど、読者に音を届ける著者の感性には驚きと心地よさがあります。

さて、話を戻しますと、この女性ピアニストと紹介させていただいた彼女は、コンクールを通してさまざまな出会いと葛藤を昇華させていきます。かつては天才と称されていた彼女ですが、ある別れをきっかけに音楽の第一線から退いてしまいます。コンクールに出場するのも、友達に強く言われ、半ば強制的に出場することになってしまいました。音楽家ではなく、まだまだ普通の女の子だったんですね。

そんな彼女が、ピアノを通して自分と向き合います。彼女が愛するピアノ。彼女と同じようにピアノを愛する人々。そんな人々の演奏が、彼女を音楽と真剣に向き合うきっかけを与えてくれます。彼女を頼り無げな女の子から、一人の音楽家へと進化させるのです。

 

ここで紹介できるのは彼女だけですが、彼女の成長は読んでいて自然と熱いものが込み上げてくるので、喫茶店とかで読んでると泣いてるのバレます。ご注意を。

 

ではまた